特集 図説 形態用語の使い方・使われ方
第Ⅱ部 検査手技・所見等の用語
c.病理・病変用語
MALTリンパ腫(mucosa-associated lymphoid tissue lymphoma)
渡辺 英伸
1
1新潟大学第1病理
pp.408
発行日 1996年2月26日
Published Date 1996/2/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403104080
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MALTリンパ腫は,Isaacsonらの系統的研究で,その独立疾患としての地位が確立されてきた1).International Lymphoma Study Groupから1994年に提唱されたリンパ組織腫瘍のRevised European-American分類では2),MALTリンパ腫は節外性(extranodal)の“marginal zone B-cell lymphoma”と同義に取り扱われている.
同リンパ腫は,消化管では胃に最も多く,十二指腸,その他の小腸や大腸(特に,直腸)にもみられる.消化管以外では,唾液腺,肺,甲状腺,涙腺,結腺,膀胱,腎,皮膚,軟部組織にも発生する.MALTリンパ腫の発生母地病変として,Sjögren症候群(唾液腺,涙腺など),橋本甲状腺炎,Helicobactey pyloriに起因する慢性胃炎や十二指腸炎が挙げられている.
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