発行日 2004年3月1日
Published Date 2004/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2004140236
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62歳男.胸部異常陰影を主訴とした.外傷性くも膜下出血にて入院した際の胸部CTにて左背側胸膜部の腫瘤陰影を指摘された.一般検査や胸部X線に異常所見を認めなかったが,胸部造影CTにて左背側胸膜面に22×10mmのextrapleural sign陽性の紡錘形病変を認め,軽度の不均一な造影効果を示した.診断摘出目的に2ポートによる胸腔鏡下腫瘍切除術,肋間筋合併切除術を行ったが出血は微量でドレナージを要せず,cyanoacrylate皮膚接着剤にて閉鎖した.胸壁第9肋骨レベルに存在した腫瘤の病理組織所見にてAntoni A型およびAntoni B型の腫瘍細胞を認め,神経鞘腫と診断した.術後は胸部X線像では左肺尖部に軽微な気腔と皮下気腫を認めたが術後2日に退院となった.2ポートによる胸腔鏡下手術により手術の低侵襲化,術後管理の簡易化,在院日数の短縮,美容的側面の向上を図ることができ,有用であった
©Nankodo Co., Ltd., 2004