発行日 2009年8月1日
Published Date 2009/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009298952
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62歳男。健診胸部X線で異常影を指摘された。入院時胸部CTで左第1肋間に左鎖骨下動脈裏面と接する約3cm大の境界明瞭な腫瘤を認め、神経由来の良性腫瘍が最も疑われたため、鎖骨を切除せずに頸部アプローチによる切除を行った。左鎖骨上に半襟状切開を加えて、浅頸筋群を開排し深部の前斜角筋を切開すると、左鎖骨下動脈に接する腫瘤を確めた。腫瘤中枢側は正常径の第1肋間神経に連なり椎間孔付近で切断し、末梢側の径は約1cmあり、腕神経叢下幹との合流部付近で切断した。病理組織学的に腫瘤は神経節細胞腫で、腕神経叢下幹との合流部断端には腫瘍細胞を認めなかった。術後は軽度の左前腕尺側の痺れが出現した以外に合併症はなく、術後9ヵ月に退院となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2009