発行日 2010年10月1日
Published Date 2010/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2011044266
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40歳女。5年前より背部痛を自覚し、3ヵ月前に人間ドックで肋骨の異常を指摘された。右背部に楕円形腫瘤を蝕知し、軽度圧痛を認めた。肋間神経に沿ったTinel兆候を認めた。単純X線で右第7肋骨の圧排像を認め、MRIでは腫瘍は第7肋骨に接して胸腔内に膨隆しており、神経との連続性を認めた。腫瘍はT1強調画像で均一な低信号、T2強調脂肪抑制画像では全体的に高信号であったが、その中に一部信号強度の低下した領域を認めた。CTでも肋骨への圧排像や内部に石灰化も認め、リング状に造影される領域と一部造影される領域があった。以上の所見より、神経鞘腫と診断し手術を施行した。手術は第7肋骨に沿って皮切を加え、肋骨を骨膜下で剥離し、切除すると被膜に覆われた腫瘤を認めた。迅速病理検査にて神経鞘腫と診断し、ほとんどの神経線維を温存した状態で腫瘍を摘出した。術後は3年経過しているが再発は認めなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2010