特集 エピゲノム制御の最新分子メカニズム
核移植により起こるエピジェネティックなリプログラミングエラー
井上 貴美子
1
,
小倉 淳郎
1理化学研究所バイオリソースセンター 遺伝工学基盤技術室
キーワード:
胎盤
,
セントロメア
,
DNAメチル化
,
遺伝子刷り込み
,
発生遺伝子発現調節
,
エピジェネティックプロセス
,
胚発生
,
核移植
,
核の再プログラミング
,
X染色体不活性化
,
X Inactive-Specific Transcript (XIST)
,
体細胞
Keyword:
Centromere
,
Placenta
,
DNA Methylation
,
Genomic Imprinting
,
Gene Expression Regulation, Developmental
,
Epigenesis, Genetic
,
X Chromosome Inactivation
,
Embryonic Development
,
Nuclear Transfer Techniques
,
Cellular Reprogramming
,
XIST Non-coding RNA
pp.873-878
発行日 2015年8月22日
Published Date 2015/8/22
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体細胞核移植クローン(SCNT)技術は,体細胞から個体を作出する技術であるが,様々な発生過程において停止する胚が多く,産仔作出効率は一般的に5%以下と非常に低い.これまでの研究により,発生停止の原因には,偶発的に起こるものと定型的に起こるものがあることがわかってきた.定型的に起こる異常の多くは胚のエピジェネティックな異常に由来するもので,これは,体細胞のエピジェネティックメモリーが卵子内へ移植された後もリプログラミングされないことに由来する.本稿では,これらの定型的な異常を解説するとともに,その解決方法についても述べる.
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