特集 エピゲノム制御の最新分子メカニズム
環境要因によるエピゲノム変化と記憶
成 耆鉉
1
,
石井 俊輔
1理化学研究所 石井分子遺伝学研究室
キーワード:
ヘテロクロマチン
,
Histones
,
環境曝露
,
記憶
,
ストレス
,
生物学的適応
,
メチル化
,
熱ショック反応
,
ATF2転写因子
,
エピゲノミクス
Keyword:
Adaptation, Biological
,
Environmental Exposure
,
Histones
,
Heterochromatin
,
Memory
,
Methylation
,
Heat-Shock Response
,
Activating Transcription Factor 2
,
Epigenomics
pp.879-883
発行日 2015年8月22日
Published Date 2015/8/22
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温度,日照条件といった外部環境や栄養条件などの様々な環境要因による形質変化が世代を超えて影響することが示唆されていたが,その機序がわからなかったこともあり,長らく一般には受け入れられていなかった.しかし,最近の研究から,エピゲノム変化の記憶がそのメカニズムとして有力視されている.筆者らが最初に同定したストレス応答性ATF-2ファミリー転写因子は,多様な環境要因に応答してヒストンH3K9メチル化状態を変化させ,その変化が長期間記憶され,場合によっては次世代に遺伝することがわかりつつある.
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