特集 エピゲノム制御の最新分子メカニズム
細胞初期化技術を用いたがんエピゲノム研究
八木 正樹
1
,
山田 泰広
1京都大学iPS細胞研究所 未来生命科学開拓部門
キーワード:
Histones
,
翻訳後タンパク質プロセシング
,
奇形腫
,
腫瘍
,
膠芽腫
,
腎臓腫瘍
,
DNAメチル化
,
iPS細胞
,
核の再プログラミング
,
発癌
,
エピゲノミクス
Keyword:
Glioblastoma
,
Histones
,
Kidney Neoplasms
,
Neoplasms
,
Protein Processing, Post-Translational
,
Teratoma
,
DNA Methylation
,
Epigenomics
,
Induced Pluripotent Stem Cells
,
Carcinogenesis
,
Cellular Reprogramming
pp.868-872
発行日 2015年8月22日
Published Date 2015/8/22
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体細胞からiPS細胞(人工多能性幹細胞)への初期化が可能となった.現在,iPS細胞技術は再生医療や創薬開発に向けた研究だけでなく,がん研究にも応用され始めている.iPS細胞への初期化過程には,塩基配列の変化は必要としないものの,DNAメチル化やヒストン修飾といったエピジェネティック修飾状態の変化を伴う.つまり,細胞初期化技術はエピゲノム改変技術であり,発がんにおけるエピゲノム制御の意義を解明するツールとして応用可能であると考えられる.本稿では,細胞初期化技術を用いたがんエピゲノム研究について紹介するとともに,がんにおけるエピゲノム制御の重要性について議論したい.
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