特集 変わりゆく発生工学の今:核移植クローン・遺伝子改変の技術革新からヒト化実験動物の開発まで
核移植技術 Xistの機能抑制による体細胞クローン作出効率の改善法
的場 章悟
1
,
井上 貴美子
,
小倉 淳郎
1理化学研究所筑波研究所バイオリソースセンター 遺伝工学基盤技術室
キーワード:
X染色体
,
遺伝子欠失
,
発生遺伝子発現調節
,
生体クローニング
,
ノックアウトマウス
,
RNA干渉
,
エピジェネティックプロセス
,
胚発生
,
核移植
,
核の再プログラミング
,
X Inactive-Specific Transcript (XIST)
,
体細胞
Keyword:
X Chromosome
,
Gene Deletion
,
Mice, Knockout
,
Gene Expression Regulation, Developmental
,
Cloning, Organism
,
RNA Interference
,
Epigenesis, Genetic
,
Embryonic Development
,
Nuclear Transfer Techniques
,
Cellular Reprogramming
,
XIST Non-coding RNA
pp.282-287
発行日 2012年2月22日
Published Date 2012/2/22
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発生工学技術の中で唯一成体から遺伝的な“コピー個体”を生み出すことができるのが,核移植技術による体細胞クローン法である.技術開発当初から医薬・畜産など広い範囲での応用が期待されてきたが,どの哺乳動物種でも産仔を得られる効率が著しく低く,実用化への大きな壁となってきた.これは卵子の持つエピゲノム編集能力が体細胞核にマッチしていないことによるリプログラミングエラーが原因と考えられているが,実体はほとんどわかっていない.本稿では,体細胞クローン作出法の概略を紹介した後,筆者らのグループがクローン胚で必ず起こるエラーの1つとして見いだしたXist の異所性発現と,その補正によるクローン作出効率の劇的な改善法を紹介する.
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