特集 受精メカニズム新論争〜ドグマの再構築〜
カルシウムシグナルによる哺乳類精子超活性化の制御
稲葉 一男
1
1筑波大学下田臨海実験センター
キーワード:
Calcium Channels
,
Dyneins
,
受精
,
精子
,
精子活力
,
精子尾部
,
哺乳類
,
卵
,
カルシウムシグナル伝達
Keyword:
Dyneins
,
Fertilization
,
Mammals
,
Ovum
,
Sperm Motility
,
Sperm Tail
,
Spermatozoa
,
Calcium Channels
,
Calcium Signaling
pp.366-371
発行日 2014年3月22日
Published Date 2014/3/22
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哺乳類の精子が雌の生殖器内に入ると,卵に受精するうえで必須の一連の変化が起こる.これを受精能獲得と言い,先体反応と運動の超活性化のほか,様々な機能的変化を含む.このうち超活性化は,鞭毛運動を大きく変化させ,種々の物理的障壁を通過するための運動であり,この運動なしでは受精を成功させることができない.最近の研究により,超活性化の鞭毛変化にはCatSperと呼ばれるチャネルによるCa2+の流入が必須であることが明らかとなった.本稿では,精子運動の基本メカニズムを解説したうえで,CatSperが司る超活性化の機構について解説する.
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