特集 受精メカニズム新論争〜ドグマの再構築〜
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伊川 正人
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1大阪大学微生物病研究所 教授(附属感染動物実験施設長 兼 遺伝子機能解析分野主任)
pp.362-365
発行日 2014年3月22日
Published Date 2014/3/22
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哺乳類の精子が受精するためには,雌性生殖路内で一定の時間を過ごさないといけないという受精能獲得現象が1951年にChangとAustinに独立して発見された.この発見をきっかけに,精子を試験管内で前培養することで体外受精が可能となり,哺乳類の受精研究が本格的に始まった.その後,排卵誘発法や胚移植法と組み合わさって1978年のヒト体外受精児の誕生につながった.現在では,日本の新生児の5%近くが体外受精児であり,5〜7組に1組とも言われる不妊カップルに福音をもたらしている.なお,体外受精児の約半数は顕微授精技術によるとされる.このように臨床応用では進展著しい一方で,受精メカニズムそのものについては,いまだ不明な点も多く,決着のついていない議論も多く残されている.本特集では,哺乳類の受精メカニズム解明で世界をリードする研究者の方々に,最新の知見と今後の展望を紹介していただく.
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