特集 受精メカニズム新論争〜ドグマの再構築〜
精子と卵子の膜融合
井上 直和
1
,
宮戸 健二
1福島県立医科大学医学部附属生体情報伝達研究所 細胞科学研究部門
キーワード:
Integrins
,
膜融合
,
受精
,
精子
,
卵
,
ノックアウトマウス
,
エクソソーム
,
CD9抗原
,
IZUMO1 Protein
,
Fertilins
Keyword:
Fertilins
,
Fertilization
,
Membrane Fusion
,
Ovum
,
Spermatozoa
,
Integrins
,
Mice, Knockout
,
Exosomes
,
Tetraspanin-29
,
IZUMO1 Protein, Human
pp.386-392
発行日 2014年3月22日
Published Date 2014/3/22
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遺伝子改変動物による解析により,受精研究の中で長年未知であった精子と卵子の膜融合をそれぞれ制御する因子が同定された.精子側のIZUMO1については,その分子構造や局在変化について詳細な研究がなされ,卵子接着活性が膜融合にとって重要であることが明らかになった.卵子側のCD9については,CD9を含む小胞(エクソソーム)が未受精卵から分泌され,精子に付着することで融合能を付与していることが明らかになった.これまでにIZUMO1とCD9の関連性を裏付ける証拠が得られていないことから,今後これらの解析結果が待たれる.
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