特集 細胞分裂131年目の真実:分子から動態へ
哺乳類卵母細胞における減数分裂
北島 智也
1
1理化学研究所発生再生科学総合研究センター 染色体分配研究チーム
キーワード:
減数分裂
,
微小管
,
哺乳類
,
卵母細胞
,
紡錘体
,
染色体分離
,
動物モデル
,
微小管形成中心
,
分子イメージング
,
極体
,
自己組織化
Keyword:
Meiosis
,
Mammals
,
Oocytes
,
Microtubules
,
Spindle Apparatus
,
Models, Animal
,
Chromosome Segregation
,
Microtubule-Organizing Center
,
Polar Bodies
,
Molecular Imaging
pp.300-303
発行日 2013年2月22日
Published Date 2013/2/22
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卵母細胞は減数分裂を経て卵子を形成する細胞である.哺乳類卵母細胞は中心小体を持たず,その代わり,その細胞質に多数の微小管形成中心(MTOC)を有している.減数第一分裂に入るとこれらが自己集合してまず極性のない微小管球を形成し,それがやがて2極性の紡錘体へと形を変えていく.その間,染色体はまず微小管球の表面に分布し,次に赤道面へ移動して前中期ベルトを,そして双方向性を確立して中期板を形成する.紡錘体が細胞内アクチンネットワークにより細胞皮層へ移動すると,相同染色体が分離して卵子と第一極体に分配される.マウス卵母細胞をモデルとして,これまで謎が多かった哺乳類卵母細胞の減数分裂の機構が今後,加速度的に明らかになるだろう.
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