特集 受精メカニズム新論争〜ドグマの再構築〜
精子の受精能獲得
馬場 忠
1
1筑波大学 生命環境系生命領域学際研究センター(TARA)
キーワード:
Calcium Channels
,
精子受精能獲得
,
女性生殖器
,
精子
,
精子活力
,
精子尾部
,
卵
,
ノックアウトマウス
,
先体反応
,
ADAM3 Protein
Keyword:
Genitalia, Female
,
Ovum
,
Sperm Capacitation
,
Sperm Motility
,
Sperm Tail
,
Spermatozoa
,
Calcium Channels
,
Mice, Knockout
,
Acrosome Reaction
,
ADAM3A Protein, Human
pp.372-377
発行日 2014年3月22日
Published Date 2014/3/22
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受精現象の仕組みを知るためには,精子と卵子が融合する前の準備状況を理解することが重要である.精子側だけに限って言えば,受精能獲得によって起こる精子尾部での超活性化運動能と頭部での先体反応が受精に必須である.精子の受精能獲得は培地中で誘導できることから,これまで様々な因子が同定されてきた.しかし,遺伝子ノックアウトマウスの解析が進むにつれて従来の仮説が揺らいでいる.むしろ,これまで埋もれていた半世紀前の先人による作業仮説が蘇り始めている.本稿では,主にマウス精子の受精能獲得機構とその意義を超活性化運動能や先体反応と関連づけながら概説する.
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