特集 アカデミアの創薬スクリーニング:分子標的からリード化合物発見への戦略
がん細胞パネルによる創薬
矢守 隆夫
1
1医薬品医療機器総合機構 審査センター
キーワード:
抗腫瘍剤
,
分子構造
,
抗腫瘍剤効力検定
,
Brefeldin A
,
Phosphatidylinositol 3-Kinase
,
トランスGolgi網
,
新薬開発
,
インフォマティクス
,
ハイスループットスクリーニング法
,
分子標的治療
,
薬学データベース
,
ZSTK-474
,
AMF-26
Keyword:
Antineoplastic Agents
,
Drug Screening Assays, Antitumor
,
Molecular Structure
,
Brefeldin A
,
trans-Golgi Network
,
Informatics
,
Drug Discovery
,
High-Throughput Screening Assays
,
Molecular Targeted Therapy
,
Phosphatidylinositol 3-Kinase
,
Databases, Pharmaceutical
,
ZSTK474
,
N-(pyridine-3-ylmethyl)-5-(7-hydroxy-2,6,8-trimethyl-1,2,4a,5,6,7,8,8a-octahydronaphthalene-1-yl)-2-methylpenta-2,4-dienamide
pp.668-672
発行日 2013年5月22日
Published Date 2013/5/22
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最近の抗がん剤開発はがんに発現する分子標的(がんのアキレス腱)を狙い撃つ分子標的薬へと目が向けられ,がん治療の標的分子を見いだし,ハイスループットスクリーニングによりヒット化合物を見いだすのが主流となっている.この場合,細胞レベル,動物レベルで有効性が出るよう,ヒット化合物を最適化する必要がある.それに対し,セルベースのスクリーニングは,少なくとも細胞レベルで効果を持つ化合物を選別できるが,その化合物の分子標的を明らかにし,かつその分子標的が他の分子標的抗がん剤と比べてユニークであることを示さねばならないのが難点である.筆者らはこの点を解決するシステムとしてCancer Cell Informatics を開発した.Cancer Cell Informatics は,39種のがん細胞(JFCR39)をセットとして扱うセルベースのスクリーニング系であるが,JFCR39の薬剤感受性をデータベース化し,インフォマティクスを導入することによって,化合物ごとに分子標的を予測することを可能とするものである.本稿では,Cancer Cell Informatics の方法論を概説し,がん分子標的薬創薬への応用例を紹介する.
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