特集 新たな創薬ターゲットとしてのトランスポーター:明らかになるその構造と新機能
胆汁酸トランスポーターのトラフィッキング制御による創薬
林 久允
1
,
杉山 雄一
1東京大学 大学院薬学系研究科分子薬物動態学教室
キーワード:
遺伝子発現調節
,
胆汁うっ滞-肝内
,
胆汁酸と胆汁酸塩
,
変異
,
臨床試験
,
遺伝的素因(疾患)
,
肝細胞
,
新薬開発
,
ハイスループットスクリーニング法
,
4-Phenylbutyric Acid
,
胆汁酸輸出ポンプタンパク質
Keyword:
ATP Binding Cassette Subfamily B Member 11
,
Bile Acids and Salts
,
Cholestasis, Intrahepatic
,
Clinical Trials as Topic
,
Gene Expression Regulation
,
Mutation
,
Genetic Predisposition to Disease
,
Hepatocytes
,
Drug Discovery
,
High-Throughput Screening Assays
,
4-phenylbutyric Acid
pp.541-545
発行日 2012年4月22日
Published Date 2012/4/22
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細胞内においてタンパク質が正常に機能発現するためには,適切な量のタンパク質が機能部位に正しく局在する必要がある.そのため転写・翻訳といった合成段階の制御に加え,トラフィッキング,分解といった翻訳後制御もタンパク質が細胞内で正常に機能を果たすうえで重要な役割を担う.実際に,トラフィッキング過程,分解過程の異常が,タンパク質の機能破綻,ひいては疾患の発症を招く例が数多く報告されている.本稿では,胆汁酸トランスポーターBile salt export pump(BSEP/ABCB11)の機能破綻により発症する肝内胆汁うっ滞とBSEPのトラフィッキング異常との関連性について概説した後,現在筆者が進めている肝内胆汁うっ滞の薬物療法のアプローチについて述べる.
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