特集 FGFシグナルの新たな制御機構:新規な活性調節分子の発見と関連疾患治療の最先端
ヘパラン硫酸鎖を介したFGFシグナルの局所的な受容機構
松尾 勲
1
,
木村 千春[吉田]
,
下川 佳世
1大阪府立母子保健総合医療センター研究所
キーワード:
線維芽細胞増殖因子
,
Heparitin Sulfate
,
シグナルトランスダクション
,
外胚葉
,
キメラ
,
リガンド
,
リン酸化
,
線維芽細胞増殖因子受容体
,
発生遺伝子発現調節
,
ノックアウトマウス
,
Extracellular Signal-Regulated MAP Kinases
,
胚発生
,
Serine Proteases
Keyword:
Chimera
,
Ectoderm
,
Fibroblast Growth Factors
,
Heparitin Sulfate
,
Ligands
,
Phosphorylation
,
Signal Transduction
,
Receptors, Fibroblast Growth Factor
,
Mice, Knockout
,
Gene Expression Regulation, Developmental
,
Extracellular Signal-Regulated MAP Kinases
,
Embryonic Development
,
Serine Proteases
pp.426-431
発行日 2012年3月22日
Published Date 2012/3/22
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繊維芽細胞増殖因子(FGF)は細胞の増殖・分化・移動など多岐にわたる現象を主にFGF受容体(FGFR)を介して調節している.しかし,哺乳動物胚発生過程において,FGFがどのように標的細胞まで移動し,受容体のシグナル活性化を引き起こすのかは依然として不明な点が多い.筆者らは,リガンドと受容体と三量体を形成するヘパラン硫酸鎖の機能についてマウス胚を用いて解析した.結果,細胞表面のヘパラン硫酸鎖がFGFリガンドの標的細胞特異的な受容に必須であること,さらにはセリンプロテアーゼを介して細胞非自律的に隣接細胞にFGFシグナルを伝播させることを見いだした.以上から,FGFシグナル活性はヘパラン硫酸鎖の局所的発現によってダイナミックに制御されうることが示唆された.
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