特集 細胞分裂131年目の真実:分子から動態へ
中心小体構築と複製の分子メカニズム
北川 大樹
1
1国立遺伝学研究所新分野創造センター 中心体生物学研究室
キーワード:
細胞周期
,
線毛
,
中心子
,
発生遺伝子発現調節
,
中心体
,
分子進化
,
RNA干渉
,
自己組織化
,
自己複製
,
SASS6 Protein
Keyword:
Cell Cycle
,
Centrioles
,
Cilia
,
Evolution, Molecular
,
Centrosome
,
Gene Expression Regulation, Developmental
,
RNA Interference
,
SASS6 Protein, Human
pp.285-290
発行日 2013年2月22日
Published Date 2013/2/22
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中心小体はDNAのように一細胞周期に一度だけ複製される進化的に保存された細胞小器官である.微小管形成中心である中心体の中核を成すとともに,繊毛や鞭毛の基底部としても機能するダイナミックな超分子複合体である.近年,様々なモデル系を用いた機能ゲノミクスやプロテオミクスなどの網羅的アプローチにより,中心小体構築に介在する因子群の同定,因子間の相互作用ネットワークの理解が急速に進んでいる.多様な構成因子が細胞周期進行に応じて,どのように有機的に自己組織化することでこの複雑な構造体を構築するのか? 中心小体複製の再現性や厳密性を保証するメカニズムとは? 多様な生理現象を制御し,遺伝病,がん,不妊症を含む様々な疾患と密接に関連することが注目されている中心小体の構築メカニズム,構造生物学的研究に関して,本稿では最新の知見を交えて紹介する.
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