特集 変わりゆく発生工学の今:核移植クローン・遺伝子改変の技術革新からヒト化実験動物の開発まで
胎盤の遺伝子操作
伊川 正人
1
1大阪大学微生物病研究所附属感染動物実験施設
キーワード:
レンチウイルス
,
遺伝子工学
,
遺伝子導入
,
ベクター(遺伝子)
,
遺伝学的治療
,
疾患モデル(動物)
,
胎盤
,
妊娠高血圧症候群
,
トランスジェニックマウス
,
HMG-CoA Reductase Inhibitors
,
Vascular Endothelial Growth Factor Receptor-1
,
Placenta Growth Factor
,
栄養膜細胞層
Keyword:
Placenta Growth Factor
,
Disease Models, Animal
,
Genetic Engineering
,
Genetic Vectors
,
Placenta
,
Mice, Transgenic
,
Lentivirus
,
Genetic Therapy
,
Gene Transfer Techniques
,
Hydroxymethylglutaryl-CoA Reductase Inhibitors
,
Hypertension, Pregnancy-Induced
,
Vascular Endothelial Growth Factor Receptor-1
pp.290-295
発行日 2012年2月22日
Published Date 2012/2/22
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胎盤は,ガスや栄養の交換のみならずホルモン産生などを通じて哺乳類の妊娠維持に必須の臓器である.しかし,従来のトランスジェニック・ノックアウトマウスでは,胎仔と胎盤の両方のゲノムが遺伝子操作されてしまうため,胚性致死など妊娠期における表現型が胎仔と胎盤のいずれに起因するのかを判断することが困難であった.筆者らはレンチウイルスベクターを胚盤胞期胚に感染させれば栄養膜細胞のみに遺伝子導入できることを見いだし,その延長として胎盤特異的な遺伝子操作ができる系を確立した.胎盤異常による胚性致死の治療や,胎盤に起因する病気である妊娠高血圧症候群のモデル動物の開発など,本法の可能性について概説する.
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