特集 変わりゆく発生工学の今:核移植クローン・遺伝子改変の技術革新からヒト化実験動物の開発まで
特集を読むまえに 基礎の基礎
山村 研一
1
,
小倉 淳郎
2
1熊本大学生命資源研究・支援センター 教授
2理化学研究所バイオリソースセンター 遺伝工学基盤技術室 室長,筑波大学大学院生命環境科学研究科 教授,東京大学大学院医学系研究科 客員教授
pp.278-281
発行日 2012年2月22日
Published Date 2012/2/22
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胚性幹細胞(embryonic stem cell;ES細胞)研究はいまや花盛りであるが,時代を遡ればテラトーマ(奇形腫),奇形癌腫細胞の研究が一度隆盛を極めているので,今回は二度目の花盛りと言ってもいいかもしれず,華々しい研究は地道な基礎研究の積み重ねの結果であることを認識しておきたい.なお,マウス奇形腫や奇形癌腫細胞の詳細については省略する.最近のハイライトとしては,2008年にAustin Smithらのグループが分化誘導に関わる3つのシグナルを阻害することにより自己複製を保てることを示した発見であり,またそれに続くラットES細胞樹立の論文であろうか.
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