特集 アルツハイマー病の根本治療に向けた研究最前線
特集を読むまえに 基礎の基礎
伊東 大介
1
,
鈴木 則宏
2
1慶應義塾大学医学部 神経内科 専任講師
2慶應義塾大学医学部 神経内科 教授
pp.1086-1089
発行日 2012年9月22日
Published Date 2012/9/22
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急速な高齢化に伴い,20年後には65歳以上が我が国の総人口の1/3を占めると報告されている.また,現在85歳以上の4人に1人が認知症であるとされており,画期的な治療法・予防法が出現しないかぎり,認知症患者の数は増加し,2030年には約350万人に達すると予測される .したがって,認知症における医療,介護は我が国において最も大きな課題の1つと言える.認知症を引き起こす疾患は多様であるが,アルツハイマー病(Alzheimer's disease;AD),レビー小体型認知症や脳血管性認知症(vascular dementia;VD)の頻度が高く三大認知症とされている.従来,我が国では,VDが多いとされていたが,1990年以降の報告ではADの増加が顕著となり,現在は認知症の半数以上をADが占めるとされている .
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