特集 次世代シークエンサーを使いこなす:目的別解析法からデータ処理まで
特集を読むまえに 基礎の基礎
清水 厚志
1
,
佐々木 貴史
2
1慶應義塾大学医学部 分子生物学教室
2慶應義塾大学医学部 総合医科学研究センター/皮膚科学教室
pp.790-795
発行日 2011年7月22日
Published Date 2011/7/22
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次世代シークエンサーが登場して6年目となり,ほとんどの研究者が名前を知る解析装置となった.しかし,具体的にどのような解析が可能で,どのようなサンプルが必要とされるのかを把握している人は多くはない.旧来のシークエンサーと比べて1ランあたりのコストが高く,サンプル調製の行程は複雑で,さらにデータ解析にはインフォマティクスの知識が必要であるなど,運用時には多くの準備を必要とする機器ではあるが,その大量出力を生かした解析手法は,DNAシークエンス解読のみに留まらず,多くの生化学的な解析にも応用されている.これまでは大きなシークエンシングセンター以外では使う機会が稀であったが,2010年から小型次世代シークエンサーや導入が容易な解析用ソフトも次々と登場し,いよいよ研究室単位で次世代シークエンシングから解析までを進められる環境が整いつつある.そこで,本特集ではこれから次世代シークエンサーを使ってみたいと考えている初学者の方を対象に,具体的な手法について紹介したい(図1).ここでは各論に入る前に次世代シークエンサーの歴史を振り返りながら各解析手法について概説したい.
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