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目的
助産実習においてバースレビューを実施した学びを明らかにし、学生のバースレビューを実施する意味を考察する。
対象と方法
A大学看護学科専攻助産師コースの卒業生5名を対象に、バースレビューをテーマにフォーカスグループインタビュー行った。録音データを逐語録に起こし、質的に分析した。倫理的配慮として、対象者の不利益とならぬよう、匿名性を守り、本研究の主旨及び録音の実施、同意は途中撤回できることを口頭・紙面による説明後、同意を文書で得た。
結果
助産実習におけるバースレビューの学びに関するコードは合計129コードで、【学びの統合】、【分娩体験の共有】、【自己との対峙】、【実習への意欲の向上】の4つのカテゴリーが抽出された。【学びの統合】から学生は、[気づきの機会]、[思考の整理]、[行動変容への動機づけ]による学びのプロセスから学びを統合し、自己の学びを深めていた。【分娩体験の共有】では、産婦の語りをとおして[産婦の立場に立つ]、[産婦の想いを後から知る]ことによって産婦を改めて理解し、[自分の行ったケアの評価]から自己をふりかえり、[産婦との関係の向上]となっていた。【自己との対峙】から学生は自己を見つめ、〔自己の浅はかさを実感〕すると同時に[役割の認識]、〔学生としての自己肯定〕をしていた。そして、【実習への意欲の向上】から、〔ポジティブな思考へと転化〕させ、〔モチベーションの維持〕につなげていた。
結論
学生のバースレビュー実施は、1.分娩介助時には学べなかった産婦の思いや分娩時の自己をふりかえることで学びを得ていた。2.実施を積み重ねることで、学生の学びを統合させ、自己のステップアップになっていたことが明らかとなった。3.学生にその効果を実感させ、産婦との関係性を深め、自分自身を肯定するとともにやる気・意欲につながるものであることが明らかとなった。
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