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Ⅰ.はじめに
2019年末から新型コロナウイルス感染症(coronavirus disease 2019;COVID-19)は世界中に拡散し,現在も感染の流行が続いている.COVID-19は加齢により免疫機能が低下した高齢者は感染しやすく,重症化しやすいため,感染を予防すること,感染の早期発見・対応が重要課題である.そのようななか,感染拡大を防止するため,厚生労働省から,日常生活における行動の指針として「新しい生活様式」が提言(厚生労働省,2020)され,高齢者を取り巻く環境は大きく変化した.
COVID-19感染状況における訪問看護の実態調査によると(日本訪問看護財団,2021;山辺,2021),利用者の感染症(疑い含む)の増加するなかでの感染対策,看取り数の急増による対応,訪問看護ステーション運営やスタッフのメンタルヘルス等,さまざまな問題に直面しながらも前向きに訪問看護に取り組んでいることが報告されている.
筆者は,2019年4月から訪問看護ステーションに所属し,地域で療養する高齢者・家族への看護に携わっている.COVID-19が身近なものであると感じ始めた2020年3月下旬ごろから現在まで,さまざまな情報が錯綜するなか,未知の感染症への不安を感じながらも,高齢者・家族,そしてスタッフを守る看護とはどう行動することなのか,と自問自答しつつ,スタッフ,地域の訪問看護管理者や他職種の人々と力を合わせ実践してきた.
そこで,本稿では,COVID-19感染拡大のなかでの訪問看護における老年看護の実践について報告する.そして,地域の訪問看護管理者にインタビューした結果も踏まえ,現時点で感じている課題について述べていきたい.
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