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特集 「COVID-19パンデミックにおいて高齢者を守る老年看護の実践と今後の方向性」
新型コロナ時代において高齢者を守る老年看護の実践と方向性
Perspective on Geriatric Nursing Practice for Protecting Older Adults in the Era of the COVID-19 Pandemic
山元 智穂
1
Chiho Yamamoto
1
1国家公務員共済組合連合会虎の門病院
1Toranomon Hospital
pp.34-38
発行日 2021年7月31日
Published Date 2021/7/31
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- Abstract 文献概要
Ⅰ.はじめに
虎の門病院は,東京都港区にある819床の東京都指定二次救急医療機関である.新型コロナウイルス感染症(coronavirus disease 2019;COVID-19)感染者の受け入れは2020年2月のクルーズ船の乗客から開始され,2021年3月までに延べ約250人の感染症者の治療を行ってきた.
筆者はここで高齢者総合診療部という部署に所属し,部やチーム(高齢者せん妄対策チーム,認知症ケアチーム),個人宛に受ける相談に対して他職種と共に活動を行っている.コロナ禍にあったこの1年の依頼数が416件と前年比で4割増加していたことは,老年看護としての実践をこれまで以上に期待された年であったのだろうと改めて感じている.
筆者の横断的な活動は,病棟スタッフを相談者とする相談業務が主である.もちろんなかには直接的な実践も含まれるが,多くは現場のスタッフから受ける相談への支援である.つまり本稿の実践は,現場のスタッフからの相談にこたえるなかでみえた“老年看護の実践と方向性”であることをまず申し述べておきたい.なかでも特に,急性期病院として感染症者・疑似症者を受け入れる隔離環境下でみえた看護実践に焦点を当てて述べていきたいと思う.
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