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はじめに
高齢化率28.4%で全国3位と高齢者が多く,人口10万対病床数が全国1位,そのために在院日数も長くなっている高知県において,近森会グループは,急性期病院から障害者支援までをカバーできるように,急性期の近森病院(338床)をはじめ,回復期リハビリテーションの近森リハビリテーション病院(180床),近森オルソリハビリテーション病院(100床),精神科の近森病院第二分院(104床),精神科の在宅部門を担う高知メンタルリハビリテーションセンター,社会福祉法人ファミーユ高知といった施設を有している.スタッフ数も医師107人,看護師581人,准看護師49人,そのほかの職種を含めると合計1,504人と大きな組織である.
老人看護専門看護師(以下,老人看護CNS)である筆者が主に活動する近森病院は,地域医療支援病院であり,また,災害拠点病院,救命救急センターとして指定されており,①急性期医療を柱として,24時間365日いつでも,よりよい医療が提供できること,②地域医療支援病院として,常に地域に求められる役割を果たせること,③患者と接するすべてのスタッフがそれぞれの専門性を発揮し,チーム医療が行えることを使命としている.当院に入院する65歳以上の高齢患者は,全入院患者の76%,うち後期高齢者は67%を占めており,高度医療を提供するだけでは退院に結びつけることのできない患者が増えている.
このような組織で大学院修了後,2000年から退院調整看護師として,2002年老人看護CNSの認定を受けてからは,組織横断的に活動できる,統括看護部長直属のポジションで老人看護CNSとして活動してきた.常に,老人看護CNSにはなにが求められ,なにをしていかなければいけないのかを考え,その時々の状況に合わせてCNSの6つの役割を実践してきた.これまでの活動,とくに重点的に取り組んできた退院調整に関する活動を振り返り,老人看護CNSとしての将来展望を考えてみた.
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