資料
看護・福祉系の基礎教育課程における高齢者虐待に関する授業展開の実態
奥野 茂代
1
,
金川 克子
1
,
沼本 教子
1
,
南澤 汎美
1
1日本老年看護学会研究活動推進委員会
pp.105-111
発行日 1998年11月15日
Published Date 1998/11/15
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はじめに
超高齢社会を迎える21世紀の医療福祉の実施には,高齢者ケアに従事する看護・福祉職者の質の向上が不可欠であり,高齢者の虐待問題は避けられない重要な課題である.高齢者虐待に関するわが国における研究は,欧米諸国より約20年遅れ最近になって取り組まれ始められた.したがって高齢者虐待の概念は,保健福祉関係者の間にすら十分浸透していないという指摘もある.我が国の先行研究は,主に高齢者虐待の実態や虐待の誘因1,2,3),家族介護者や介護者の支援に関するもの4,5)である.一方で高齢者ケアにかかわっている看護・福祉職者には,高齢者虐待の予知・早期発見およびその対応策に関する能力の開発の必要性が強調されている.
そこで本委員会は,高齢者虐待に対する予防・対応策のガイドラインおよび教育プログラムの開発の推進役を担い,看護・福祉職者のケアの向上に貢献する必要性を痛感した.本報告の目的は,看護・福祉系の基礎教育課程における高齢者虐待に関する授業展開の実態を明らかにし,教育プログラムの開発を検討するための基礎資料とすることである.
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