連載 アメリカ合衆国の大学院課程における看護教育・2
看護の修士課程教育の成立と展開(その2)
豊澤 英子
1
1前:聖マリア学院短期大学看護学科
pp.152-157
発行日 1993年2月25日
Published Date 1993/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663900538
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修士課程のカリキュラム
看護の修士課程のカリキュラムは,まず看護教員と看護管理者を養成するために開発された.初期の看護の大学院の主要な目的は,看護学校や他の機関で教えるために必要な知識や技能の修得にあり,伝統的な教員役割と管理者役割が強調されていた.しかし,修士課程教育の中心は次第に臨床実践の内容と経験を含むものへと変化を始めた.
1950年代後半になって,高等教育に関する西部各州連合の看護高等教育西部協議会(Western Council of Higher Education for Nursing of the Western Interstate Commission for Higher Education)は,修士レベルの臨床看護コース教授を改善するためにコース内容を明らかにする活動を始め,またアメリカ看護婦協会(American Nurses' Association, ANA)は,1969年に大学院教育に関する初めての声明書を発表し,看護大学院教育の知識コアは看護科学と看護実践である1)という考え方を明らかにした.大学院教育の共通コアに関しては,1952年に上級看護プログラムの代表者による全米看護連盟会議にて「専門領域に関わらず,全ての修士課程が持つべき共通コアはあるのか」2)という議題が提出されたが,その会議では統一見解は出されないままであった.
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