院内管理のレベル・アップ 労務
労務管理の考え方・2
一つの労務管理観—医療人としての立場から
黒田 幸男
1
1済生会中央病院
pp.62-63
発行日 1977年9月1日
Published Date 1977/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541206333
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復元力に期待する
人間社会,とくに日本人の特性なのか,復元力というすぐれた潜在能力がある.この能力は一つの事象に対して,常に中道的な立場を維持しようという意識を満たすことから出ているようである.もっとも,この場合の中道的立場とは,常識的にみた場合の正常な位置というべきものであって,復元力とは,その正常な位置からずれた場合に対して元の位置に復元しようとする力ということができる.
労務管理とは,最終的には人の問題になるが,病院における労務管理を考える場合,正常な位置は何かをまず考えるべきであろう.いうまでもなく病院は,よい医療をより良い条件のもとで患者に提供することがその目的であるが,これを満足のいくように達成するためには,必要な資金と資材が常に補充され,人の意思(知恵)が適正に行使されることが不可欠となる.
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