特集 学生自治を考える
私の考える学生自治
本来の学生自治の確立をめざして
伊藤 裕美
1
1国立大阪病院付属高看学院
pp.29-30
発行日 1969年5月1日
Published Date 1969/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906172
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現在の私たち看護学生に本当の学生自治があるといえるだろうか。自治会則にはまず始めに「学生の自治自律の精神を涵養し,もって社会人として,この人格を完成するとともに,学生相互の福祉と親睦を図ることを目的とし,その決定権は学院長がこれを有する」と書かれており,それは私たちの自治が侵されていることを明らかにしている。
自治とは本来自らを治めることであり,そのことは自ら決定権を持つことである。すなわちその決定権は,自治会総会にあるのが当然の姿であろう。看護学校の背景にある庁舎規定もまた,私たちの学生自治にいろいろな影響をおよぼしている。教室使用についても,学生は自由に使うことはできず,その目的・内容・使用時間を明記し,必ず許可を得なければならない。掲示場所にしても,自由に掲示することはできず,掲示物を提出し,許可をもらい,指定の場所にのみ掲示できるのである。
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