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【特集】 東日本大震災
原子力災害と看護職の役割および放射線影響に関する基礎知識
Roles of Nursing Professionals in Nuclear Disaster and Basic Knowledge of Radiation Effects on Human Health
草間 朋子
1
1大分県立看護科学大学
pp.7-11
発行日 2011年5月31日
Published Date 2011/5/31
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7008200099
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Ⅰ.はじめに
本年3月11日に発生した東日本大震災は、地震、津波、原子力災害の複合災害となり、未曾有の被害をもたらした。原子力発電所の事故では、燃料に使われているウランの核分裂反応そのものは、地震発生直後に止まったが、原子炉内や、使用済み燃料貯蔵プールにあるウランの核分裂によってできた放射性物質の大気、海洋中への放出という異常事態が、1ヶ月以上の長期間にわたって続いているという想定外の厳しい事象により、周辺住民の避難等が長期化している。
住民に放射線被ばく、放射能汚染を引き起こす、放射線、放射性物質は、自分の五感で、その存在自体を、直接、知ることができないこと、および、一般住民の間に放射線に関する知識がほとんどないことなどが重なり、人々の不安・恐怖を誘い、ひいては多方面にわたる風評被害が拡大する結果となっている。
被災者の支援にあたる看護職が、放射線被ばく、放射線影響に関する正しい理解をもって対応していただくことが、被災者や国民のみなさまの不安・恐怖の解消に繋がると期待されている。
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