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【巻頭言】
原子力災害に対する理解を—中越沖地震と原子力発電所
Personnel Prediction and Coping for Nuclear Safety
草間 朋子
1
Tomoko Kusama
1
1大分県立看護科学大学
pp.1
発行日 2007年12月31日
Published Date 2007/12/31
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7008200210
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平成19年7月16日に発生した中越沖地震の際に、東京電力柏崎刈羽原子力発電所で発生した火災による黒煙が上空にたなびく映像がテレビを通して全国各地に繰り返し放映され、さらに、海水中に微量の放射性物質が流れ出たとの報道は、日曜日の休暇を過ごしていた多くの国民に、地震に伴い原子力災害が発生するのではないかという不安と恐怖を与えてしまった。
一方、この地震では、原子力施設に対する耐震設計上の想定を上回る大きな揺れがもたらされたにも拘わらず、原子炉本体は地震発生直後に緊急停止し、緊急時に要求されている「止める、冷やす、閉じこめる」という原子炉にとって基本的な安全機能は維持できたということで、原子力の関係者や専門家はとりあえず胸をなで下ろしたところである。しかし、日本全国至る所で活断層の存在が確認されており、地震の発生確率が高まっている地域で原子力発電所が運転されており、本当に大丈夫なのだろうかという一般国民の不安は、今回の中越沖地震で一層加速されたことは間違いない。
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