特集 災害と病院
原子力災害と病院の役割
明石 真言
1
1放射線医学総合研究所 緊急被ばく医療研究センター
キーワード:
原子力災害
,
被ばく
,
汚染
,
緊急被ばく医療
,
病院
Keyword:
原子力災害
,
被ばく
,
汚染
,
緊急被ばく医療
,
病院
pp.446-451
発行日 2010年6月1日
Published Date 2010/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541101710
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災害対策基本法(昭和36年11月15日,最終改正:平成17年10月21日)によれば,災害は「暴風,豪雨,豪雪,洪水,高潮,地震,津波,噴火その他の異常な自然現象又は大規模な火事若しくは爆発その他その及ぼす被害の程度においてこれらに類する政令で定める原因により生ずる被害をいう」とされている.この定義は医学的な観点からではないが,これらの災害では,われわれは身に降りかかる危険を認知することができる.またテロリズムや事故による化学物質の大量放出や体内への摂取が起これば,症状が早期に現れる.
ところが,放射線に被ばくをしても,よほどの高線量でなければ症状がすぐに現れることはない.体内汚染であれば,より症状は現れにくい.つまり原子力災害や放射線による事故・テロリズムが起きても,そのこと自体がわかるまでに時間を要することが多い.また放射線や放射能量に関しても,定量性があるもののその単位を実感することは難しく,このことが被ばく医療をわかりにくいものとしている.
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