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Ⅰ.はじめに
わが国における胃がん手術体験者の職場復帰率は60〜75%以上である1).しかし,胃がん手術後のダンピング症状があった人は,手術後5年以内が35.4%2),腹部症状があった人は約8割あり,栄養障害のために日常生活に支障を生じている現状がある3).胃がん手術体験者は,手術後早期から退院後の社会生活や仕事復帰に対する不安があり,ストレスを抱えながら職場復帰している4)5).手術を受けた消化器がん患者の職場復帰に関する先行研究として,退院前は職場復帰後の体調や退院後の食生活,職場復帰後は仕事をして体力低下を自覚したことや食生活の変化の不安やストレスがある6)という.また,入院中から仕事のことが気になり,退院後はしたいことができるかという不安や経済的な心配4),生活に対し自信がない7)という心理状態も報告されている.職場復帰に伴う症状出現は,仕事中の食行動が影響し,それぞれの職域における具体的な食行動の指導と職場環境調整の必要性が示唆されている8).しかし,先行研究においては,胃がん手術体験者の職場復帰に伴うストレスとコーピングについて,その人の全体像や全人的視点から捉えたストレスとコーピングについての研究は皆無であった.
そこで,本研究の目的は,胃がん手術体験者が職場復帰に伴い認識したストレスとコーピングについて,その人の全体像から明らかにし,ストレスとコーピングについて考察することであった.本研究の意義は,看護職者にとっては,胃がん手術体験者が職場復帰に伴い認識するストレスとコーピングについて,胃がんの告知を受けたときから職場復帰に至る経過の中で,計画的に看護介入することができる.また,胃がん手術体験者にとっては,予期的不安が提示されることから,それらへの対応についての心構えや準備ができることである.
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