巻頭言
職場復帰
万歳 登茂子
1
1名古屋市総合リハビリテーションセンター
pp.179
発行日 1993年3月10日
Published Date 1993/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107305
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私の勤務する名古屋市総合リハビリテーションセンターの基本理念は「医療から社会復帰まで」である.特に全国的にも数の少ない職能評価開発部門は重要な役割を持っているが,まだまだ多くの問題をも抱えている.この部門にも関わっている私は,各スタッフと共にあれこれ悩みながら,社会復帰に取り組んでいる.障害が軽度であれば医療からすぐに職場復帰可能であるが,われわれのセンターに来る人はなんらかの問題があり,復職できないわけである.とりわけ高次脳機能障害をもった人に問題が多い.
私が今悩んでいる2つの問題がある.それは<職業特性>と<施策のはざま>の問題である.<職業特性>は具体的には教師や医師など世間一般で言われているエリート職の<職業特性>である.われわれが高校生の頃は教師と医師はあこがれの職業だったと記憶している.現在はやや変化して医師と弁護士だそうだ.このエリート的特殊性が,いったん障害を持ってしまうと大きな足かせになる.私が担当しているこれらの人も,一般サラリーマンや製造業,主婦であれば十分復職可能と思われる人達である.
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