連載 作業療法を深める ⑦ストレスコーピング
ストレスコーピング
小田原 幸
1
,
坪井 康次
1,2
Miyuki Odawara
1
,
Koji Tsuboi
1,2
1東邦大学医療センター大森病院心療内科
2東邦大学
pp.414-417
発行日 2017年5月15日
Published Date 2017/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5001200909
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ストレスとは
ストレスは,「物体に圧力を加えることで生じるゆがみ」を意味する物理学の言葉であったが,1936年,カナダの生理学者Hans Selye1)が,「ストレス学説」を発表したことから,多くは医学・生理学的な意味でストレスが用いられるようになり,現代では,精神的・肉体的に負担となるあらゆる環境刺激によって引き起こされる生体機能の変化(ストレス反応)を指すようになった.また,外部からの刺激や要因をストレッサー(ストレス要因)と呼んでいる.
代表的な心理学的ストレスモデルであるLazarusらの認知的ストレス理論2)によれば,ストレスはさまざまな要因から構成されるシステムであり,ストレッサーとストレス反応を媒介するものとして,認知的評価とコーピングの働きが重視されている.
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