日本看護診断学会・第24回学術大会報告 【会長講演】
看護診断の原点にかえろう—クライエントの健康な生活に有益な看護介入に向けて
佐藤 正美
1
Masami Sato
1
1東京慈恵会医科大学医学部看護学科
1The Jikei University, School of Nursing
キーワード:
看護診断
,
看護過程
,
臨床判断
Keyword:
看護診断
,
看護過程
,
臨床判断
pp.40-45
発行日 2019年3月15日
Published Date 2019/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7004200042
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看護診断は,何のため誰のためのものだろうか.直面している課題と今後の課題へ向かうためにも,看護診断の原点に立ち戻り考えたいと願い,大会テーマとした.また,看護の対象を患者に限定せず幅広くとらえたいため,看護の対象を「クライエント」と表現した.
看護診断とは,質の高い看護実践をするためのものであり,看護ケアを受けるクライエントのためのものである.看護診断は看護過程のステップの1つに位置づけられるが,看護診断では人間の反応を看護学における概念に関する基礎知識をもって見つめる.看護診断において主要な概念は,診断の焦点として示される.正確な看護診断となるためには看護アセスメントが必要であり,看護診断は患者アウトカムや介入を方向づけることを意味し,看護診断によって患者に適切なケアプランを導く.また看護診断を用いることで,看護ケアの焦点を明確にするだけではなく,臨床判断を導き,看護の視点で意図をもちかかわることができる.
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