日本看護診断学会第12回学術大会報告 質保証時代における看護診断
【シンポジウム】
日本看護診断学会の立場から
江川 隆子
1
Takako Egawa
1
1京都大学医学部保健学科
1School of Health Sciences, Faculty of Medicine, Kyoto University
pp.102-104
発行日 2007年3月15日
Published Date 2007/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7004100260
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はじめに
周知のように,NANDAインターナショナルの前身である「北米看護診断協会」が1973年に看護診断の開発を始めて30年以上が経過しています.そして,これまでに172余りの看護診断名とその概念が開発されており,その開発はインターナショナル的な広がりを呈しています.2005-2006年版には,スペインの看護界から提案された看護診断が用語検討委員会の審査を経て掲載されています.このような看護診断は,すでに15か国以上に翻訳されて臨床で活用されています.現在この学会は,看護診断だけでなく,その成果の開発や看護治療の開発,効果検証へと進んでいます.
一方,日本看護診断学会は,初代理事長の松木氏と研究会(1991年~)世話人らの努力によって,1995年に発足されました.当初から年1回の学術集会には2,000~3,000人を超す参加がありました.当初,学会での研究発表の数は,他の学会に比べて非常に少ない状況でしたが,ここ数年は,学会ごとに研究発表の数も増えています.このことは,看護診断に対する研究が日本でも進んでいることを意味しており,近い将来,日本からの看護診断の提案や,看護診断に対する看護治療の提案がなされることは間違いないと考えています.
この項では,なぜ看護診断が看護の質の向上に貢献することができるかにつきまして,私論ですが,日本看護診断学会からの意見を述べてみます.
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