日本看護診断学会・第30回学術大会報告 【30周年記念座談会】
実践を拓く看護診断の新たな可能性—本学会の目的に向かって活動する
江川 隆子
1,2
Takako Egawa
1,2
1京都大学
2関西看護医療大学
1Kyoto University
2Kansai University of Nursing and Health Sciences
pp.36-37
発行日 2025年5月15日
Published Date 2025/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.134130070300010036
- 有料閲覧
- 文献概要
I. はじめに
私は,日本看護診断学会の30年の歩みの中で,3期12年の間理事長を務めさせていただきました.この間,先輩の理事長と同様にNANDA-I(北米看護診断協会:NANDA)の看護診断(看護概念)の翻訳と普及を中心に,学会の活動をしてきました.しかし,当初から翻訳本だけでいいのかという疑問はありました.そこで,3期目(2013〜2015)より,NANDA-Iから距離を置くことを提案しました.その理由は,いくつかあります.その一つは,1つの看護診断の概念の範囲があまりにも大きすぎること,例えば,ある看護診断の診断指標に他の看護診断名が入るといったことです.また,実在型の診断があれば,その診断には,潜在型もウェルネス型の看護診断もあるという考えに対する疑問でした.個人的にも,2000版以降のNANDA-Iのハンドブックの使用は断念しました.
Copyright © 2025, Japan Society of Nursing Diagnosis. All rights reserved.