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日本看護診断学会第10回学術大会報告 電子カルテ時代の看護診断
【会長講演】
看護の質を高める看護診断
Nursing Diagnosis to Improve Quality of Nursing Care
江川 隆子
1
Takako Egawa
1
1京都大学医学部保健学科
1School of Health Sciences, Faculty of Medicine, Kyoto University
pp.43-48
発行日 2005年3月15日
Published Date 2005/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7004100185
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Ⅰ.はじめに
看護の究極の目標であるクライエントに対する看護の質のための看護界の努力は,どの時代においてもたゆまなく続けられていることは疑いもないことです.特に戦後60年間は,よい意味での看護(看護学)の激動期,あるいは超跳躍的な進歩がみられた時代であると考えます.
まず,看護の質の向上のための努力は,50年代から登場したVirginia Henderson,Martha E. Rogers, Ida Jean Orlando, Sister Callista Roy, Dorothea E. Oremといった理論家たちによって成し遂げられました.その1つは看護学に対する考え方の統一ができたことです.すなわち,ナイチンゲールの時代からの看護を「看護学問」としてというわれわれの願いが,看護理論によって,看護学の大概念である「人間,社会,健康,看護実践(活動)」を抽出し,明文化したのです.このことがすなわち,看護に関する考え方,看護学の概念の統一化を可能にしました.
さらに看護理論によって,看護実践における科学的思考である「看護過程」と看護の視点というものが抽出され,そして現在では,図 1にあるような看護過程の標準化が示されています.この思考は看護実践において,より適切な看護ケアを実践するために欠かせないものであり,一貫したケアの提供および看護の質を可能にする1つのツールです.
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