日本看護診断学会将来構想プロジェクトⅡ報告
「日本版看護診断の構築に向けた取り組み」に関する報告
黒江 ゆり子
1
,
江川 隆子
2
,
奥津 文子
2
,
小平 京子
1
,
西田 直子
2
,
長谷川 智子
2
,
任 和子
1
,
下舞 紀美代
1
Yuriko Kuroe
1
,
Takako Egawa
2
,
Ayako Okutsu
2
,
Kyoko Kodaira
1
,
Naoko Nishida
2
,
Tomoko Hasegawa
2
,
Kazuko Nin
1
,
Kimiyo Shimomai
1
1前日本看護診断学会
2日本看護診断学会
pp.11-26
発行日 2020年3月15日
Published Date 2020/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7004200048
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
I. プロジェクトの趣旨
江川隆子前日本看護診断学会理事長から,日本看護診断学会将来構想プロジェクトの趣旨が次のように示された.
日本看護診断学会(以下,本学会)がこれまで推奨してきたNANDA-Iの看護診断は,現実的には多くの医療機関で使用されている状況がある.その使用に際して,NANDA-Iはその国の文化や法律等を踏まえたうえでの使用を推奨してきた経緯がある.しかし残念ながら,日本という国の文化や法律等を踏まえたうえでの日本における使用について,本学会が積極的に先導してきたとはいいがたい.
今後,本学会は,日本の文化的土壌や法律,医療制度等を考慮したうえで,日本で活用できる看護診断の開発と普及を行うことは意義があると考える.しかしながら,この開発を1から始めることは容易ではない.この現状を踏まえ,もう1つのプロジェクトである「日本における看護診断・成果・介入の実態及び要請に関する大規模調査:看護実践分野と看護教育分野」の結果や,先行研究,用語検討委員会がこれまで行ってきた活動から提言された結果等も踏まえ,使用頻度が高いにもかかわらず診断概念や診断指標・関連因子の検討が行われていない診断名に対し,概念分析や診断指標の妥当性の検証等を行う必要があると考える.さらに,文献検討による診断指標に対する看護介入とエビデンスの確認も必要である.
Copyright © 2020, Japan Society of Nursing Diagnosis. All rights reserved.