連載 看護管理に活かす看護理論のエッセンス[6]
ロイ―集団としてのビジョンの明確化を促す適応モデル
宮本 千津子
1
1岐阜県立看護大学
pp.65-68
発行日 2004年1月10日
Published Date 2004/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686100425
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適応ということ
ロイ看護適応モデルは,その理論と解説書のうち邦訳されているものも多く,看護診断との適合性も高いことから,わが国の実践・教育・研究において広く用いられている理論である。ロイ自身は理論と看護管理との関連について特に言及していないが,ロイ看護適応モデルにおける看護の対象が全ての人間とその集団であり,理論の説明に看護者自身の問題が例示されている部分もあることから,看護管理の機能をも含んだ考え方と言ってよいと思われる。
これまでロイ看護適応モデルでは,看護者も含め個に焦点が当たってきた印象が強かった。しかし,近年,共同研究者との作業により集団を包含する方向へ理論が拡大されてきた1)。このため,ここでは理論のなかの集団を対象とした記述から,看護管理に活用できる考え方を取り出してみたい。
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