焦点 ロイ看護適応モデル
シンポジウム
ロイ適応モデルの教育への適用
江本 愛子
1
1三育学院短期大学
pp.43-46
発行日 1991年1月15日
Published Date 1991/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900709
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1.ロイ看護モデル適用の背景
7年程前,学科増設準備を行なっていた頃,教員の間に種々の看護理論に対する関心が高まるとともに,カリキュラムの拠って立つところを再確認する必要性が生じてきた。特に看護を展開する上での難点となっているアセスメントを,どの理論に基づいて行なえば適切に系統的に行なうことができるだろうかという点と,もう1つは,講義と実習が一貫した理論で結びつかなければならないという点に,討議が集中していたように思う。また,基礎看護教育は実践家を育てるのが主な目的であるから,種々の理論を研究させるよりも,どれか1つの理論に沿った実践の仕方を教えれば,他の理論の活用も困難ではなくなるだろうという考えもあった。
カリキュラム構築は全教員参加によらなければならないとの考えに立ち,全教員による集中的カリキュラム検討会が3年余り重ねられた。その中から,本学科の教育理念,教育目標を確認し合い,看護教育内容の根拠となる概念枠組を曲がりなりにも作成した。そしてロイ看護モデル,オレムのセルフケア論,ジョーンズの適応能力モデルについても検討し,これらの適用の可能性なども併せて考慮した上で,ロイ適応モデルを中心に置いた実習指導を行なうことになったのである。
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