日本看護診断学会第3回学術大会報告 クリティカルに進めよう看護診断を
【招聘講演】
2.クリティカルシンキングと看護過程
江川 隆子
2
Donna J. Brauer
1
1ミネソタ大学
2大阪大学医学部保健学科
pp.42-52
発行日 1998年3月15日
Published Date 1998/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7004100006
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クリティカルシンキングが看護実践において中心的な現象であるという主張は,クリティカルシンキングが看護過程の基盤をなしていることを意味している.クリティカルシンキングは,看護ケアの文脈への気づきに焦点を当て,看護ケアの意思決定を明らかにすることによって看護過程を促進する.看護におけるクリティカルシンキングの2つのモデルの検証により,認知能力,態度,標準が看護過程の各段階にいかに影響を与えるかが描き出された.しかし,クリティカルシンキングと看護判断との関係についての研究からは,クリティカルシンキング単独では妥当な看護判断を行うには不十分であることが示唆された.知的な高潔さと臨床家としてのある種の特徴のような特別の状況が,クリティカルシンキングが臨床状況において有効であるために必要であるだろう.
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