特集 クリティカルシンキングのスキルを育てる
第1部 クリティカルシンキングとは何か
【対談】クリティカルシンキングについて語りたい
宮元 博章
1
,
藤村 龍子
2
1兵庫教育大学
2東海大学健康科学部看護学科
pp.910-917
発行日 2002年11月30日
Published Date 2002/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903308
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『クリティカルシンキング』との出会い
宮元 大学院生の頃に,看護学校で心理学を教えていたことがあります.「人の気持ちがぜんぜんわからない学生が多いから共感性を高めるように」という学校側から期待された内容もあったのですが,本当は逆に,人の気持ちがそう簡単にわかると思うなよと教えたかった.あまり細かい理論や知識を教えてもと思って,むしろ,世間の「常識」とかメディアを通して入ってくる心理学的情報について,まず疑うということを知ってほしいという思いでやりました.その頃は,まだクリティカルシンキングという言葉は知りませんでしたが,自分が心理学を通して学生に何を教えたかったのかをひと言でいえば,“クリティカルシンキング”だったのだと思います.
藤村 問題解決をしていくときの,解決のプロセスに,「おや,ちょっとまてよ」と.クリティカルシンキングは,どうすれば正確で,妥当で,信頼性のある判断になるか,それをよくよく吟味する過程において,いろいろな人たちが注目しているテーマだと思っています.
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