資料
長期高齢透析患者の栄養状態と食事摂取量の実態
小林 綾子
1
,
山田 礼子
2
,
武田 織枝
2
,
秋山 史大
2
1新潟県立看護大学
2新潟県立中央病院
キーワード:
高齢患者
,
血液透析
,
栄養評価
Keyword:
高齢患者
,
血液透析
,
栄養評価
pp.6-12
発行日 2024年4月30日
Published Date 2024/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7003200336
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
【目的】長期高齢透析患者の栄養状態の変化と食事摂取量の実態を明らかにし,適切な食事療法を継続するための看護を検討する.
【方法】対象者7名の8年前,5年前,現在の栄養状態をGNRI(Geriatric Nutritional Risk Index)を用いて評価した.また,食事摂取量は簡易型自記式食事歴法質問票により調査し,「慢性腎臓病に対する食事療法基準2014年版」と比較した.さらに,GNRIの低下量が少ない群と大きい群における食品群別摂取量の傾向を確認した.
【結果】GNRIは,8年前,5年前,現在では,91.1±6.2,89.8±5.8,87.6±4.7と低下していた.女性の食事摂取量は,総エネルギー,たんぱく質,カリウムが基準範囲(下限)より低値であった.GNRIの低下量が少ない群は大きい群と比較し,特に〈穀類〉〈いも類〉の摂取量が多く,〈魚介類〉〈肉類〉〈卵類〉の摂取量が少なかった.
【考察】高齢化に血液透析の長期化が重なると,よりGNRI低下に影響する可能性が示唆された.患者の家庭内での役割や,主食・主菜が適量にそろう食事ができているかを確認し,摂取量の増加につながる提案をする必要がある.
【結論】看護師は,定期的に血液検査の結果からGNRIを評価し,多職種と情報共有するとともにGNRI低下の要因をアセスメントしたうえで適切に食事療法が継続できるよう支援する必要がある.
Copyright © 2024, JAPAN ACADEMY OF NEPHROLOGY NURSING. All rights reserved.