特集 腎代替療法とShared Decision Making
7.血液透析患者に対するSDM 実践―血液透析時間の短縮を望む高齢患者へのアプローチ
白井 美千代
1
,
舩越 哲
2
1衆和会長崎腎病院看護部
2衆和会長崎腎病院内科
キーワード:
血液透析
,
透析時間の短縮
,
QOL
,
高齢患者
Keyword:
血液透析
,
透析時間の短縮
,
QOL
,
高齢患者
pp.251-255
発行日 2020年3月10日
Published Date 2020/3/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001208
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透析患者の導入年齢は高齢化の一途を辿っており,透析導入後の余命も延長していく可能性がある.血液透析には,腹膜透析にない「透析時間」という特有の問題がある.透析時間の決定権も患者にあるが,血液透析時間と生命予後には明確な関連があるため,重要なSDM(shared decision making)の対象となる.今回,透析の中止を希望した超高齢患者に対し,精神科受診を行い,入念なSDM を実施した.患者は抑うつ状態と診断を受け,最終的には透析時間の短縮による透析継続を了解した.高齢者に,生命予後のみならず人生の最終段階における良好なQOL の改善を提供するために慎重な検討が必要と考える.
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