【実践報告】
1.保存期慢性腎不全教育入院のクリニカルパスの導入
川畑 恵美香
1
,
北原 良香
1
,
永松 由紀子
1
,
井手口 佳代
1
1久留米大学病院
pp.99-105
発行日 2004年11月15日
Published Date 2004/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7003100199
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はじめに
腎不全は進行すると,透析療法や腎移植を行わなければならず,近年透析患者は増加傾向にある.腎不全は進行しても症状として現れない場合があり,治療の必要性をなかなか理解できず,腎機能の悪化をきたしやすい.それを防ぐために,患者自身が自己管理の必要性を自覚し,生活をコントロールすることが重要である.
当院腎臓内科は,保存期慢性腎不全教育入院を2週間と予定し,受け持ち看護師による生活指導,医師による教育ビデオを用いた教育,栄養士による食事指導を主に行っていた.しかし,それらの教育スケジュールや指導基準は明確ではなく,看護師の指導は経験年数により差が生じていたため,指導内容が統一されていなかった.
教育スケジュールや指導基準が不明確であったことは,患者の教育指導への参加が受け身になっていた原因の1つと考えられる.そこで,効率的に指導を行うために教育スケジュールを明確にすることが,患者に対する学習することへの意識づけ,自己管理への意欲,指導内容の統一につながるのではないかと考えた.
また,医師・看護師・栄養士が同じ目標と責任を共有し,効率的な指導が行えるのではないかと考え,今回クリニカルパスの導入を試み,治療・看護の標準化,医療・看護の質の向上がはかれたので報告する.
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