【実践報告】
2.ヒューマンエラーの原因分析と対策―ダブルチェックリストの有効性の検証
夏坂 小百合
1
,
福田 香織
1
1昭和大学横浜市北部病院
pp.106-111
発行日 2004年11月15日
Published Date 2004/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7003100200
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はじめに
透析監視装置の進歩によって,血液浄化療法における治療法の選択や治療の監視が容易になった.しかし,治療の準備,装置の設定は人によって行われるために,ヒューマンエラーは重大な事故につながりかねない.そこで,安全な治療を行うためには,専門的技術・知識の教育はもとより,業務手順をスタッフに周知徹底することが必要である.
当院の血液浄化室では,ヒューマンエラーが多発する状況にあった.そのなかでも「スリップ」に分類される,うっかり忘れやうっかりミスに起因する開始時のエラーが繰り返され,問題となっていた.そこで,開始時の運用システムに焦点を当て,手順を確実なものにするために,独自のダブルチェックリストを考案し,活用しながら改良を重ねた.その結果,開始時のうっかり忘れやうっかりミスによるエラーを減少することができた.そして今回,過去3年間のインシデントおよびアクシデントレポートを集計し,分析することによって,ダブルチェックの有効性を検証したので,ここに報告する.
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