【シンポジウム:21世紀の腎不全看護のパラダイム―統合・調和・自立】
4.教育の立場から
林 優子
1
1岡山大学医学部保健学科
pp.42-44
発行日 1999年3月15日
Published Date 1999/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7003100011
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
Ⅰ.私と透析看護との出会い
私が初めて透析医療とかかわったのは,1974年に透析専門のクリニックに入職したときである.入職時,私は血液透析に関してはまったくの無知であったため,体外循環をさせながら血液透析を受けている患者が並ぶ透析室の光景に,看護婦かけ出しの私は戸惑いと恐怖心を抱くことがしばしばであった.そのころは透析中の不均衡症候群やシャントトラブルなども多く,また,20代の若者や,小さな子供や家族を抱えた30代,40代の患者が大半であったことなどから,透析患者が抱える身体的・心理的・社会的な問題や課題が山積していた.そのためにチーム医療の重要性が問われ,他職種との連携によるチーム医療への取り組みが行われつつあった.さらに,よりよい透析医療や看護を目指して,患者会や勉強会で患者とともに学び,ともに社会活動を行った時代でもあった.その後,私は透析から一時離れたが,再び透析専門の施設で透析看護に携わることになり,血液透析,CAPD,生体腎移植を体験した.
Copyright © 1999, JAPAN ACADEMY OF NEPHROLOGY NURSING. All rights reserved.