特集 生涯教育
公衆衛生従事者からの提言
衛生教育従事者の立場から
上條 好一
1
1川崎市幸保健所
pp.683
発行日 1977年10月15日
Published Date 1977/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205481
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公衆衛生体制と教育体制■
生活概念の側面としての健康教育のあり方が,今日さまざまな角度から問われているなかで,いくつかの注目すべき取り組みのひとつに,「生涯教育としての健康教育とは如何なる意味を指向するのか」という論及がある.
従来の公衆衛生の体制はみずからの教育形態を支え,教育の方もまた公衆衛生の体制を補強する,といった相互関係にある.そのなかで,知識や技術のいわゆる通時的強化(diachronic reinforcement)が図られてきた.それは,教育の過程をその公衆衛生の意図にかかわる自覚と自律性の確立に向かって進めてきたといったことよりも,ややもすれば,すでに設定されてきた枠組みのなかで,直面した課題解決の道筋の段階における,その時々の要求への手段として解消してきた,という反省に結びつく.
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